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TOPインタビュー>grass green closetさん

第3回目のインタビューは、心を揺さぶるグラフィックアートTシャツを創作しているgrass green closetさんです。
愛媛県松山市を拠点に活動されている代表のヒデリーノさんにインタビュー!
直接お会いするのは難しいので、今回、初のチャットインタビューを試みお願いした所、快く引き受けてくださいました(*^O^*)
それではご覧ください♪


プロフィール
名前 ヒデリーノさん
誕生日 1973年2月5日
血液型 B型
出身 東京都世田谷区
趣味 ものづくり全般
特技 料理(特にイタリア料理)

経歴

ブランド歴 旧ブランドから6年

2002年5月 flowerman名義でのデザインTシャツ販売を開始
2005年末 flowerman名義での商品販売を終了
2006年1月 心機一転grass green closetとしての再スタートを切る
2006年3月 愛媛県松山市にgrass green closet直営のTシャツ専門店をオープン



* grass green closetさん インタビュー *

(小日向)今日はgrass green closetさんのブランドイメージから、ご自身についてまで色々とお話きかせてもらおうと思ってます!よろしくお願い致します。

(ヒデリーノさん)よろしくお願いします。

(小日向)グラグリさんはアートTシャツ!!というイメージが強いのですが、デザイン専門学校へ通われてたんですね。

(ヒデリーノさん)実は僕、高校を1年で中退してるんですよ。

高校が自宅から徒歩3分のところだったんですが、近すぎるとだんだん行かなくなっちゃって…(笑)

自分自身がちょっと生意気だったのもあるんですけど、そのとき興味があった美術の授業以外行かなかったんです。

それ以外の時間は私服で美術館とか銀座や青山の画廊を見にいったり、絵を描いたり、ものづくりをしてました。

(小日向)16歳の頃から、ものづくり一筋だったんですね(゜o゜*)

(ヒデリーノさん)当時父に「絵描きでは食って行けない」とよく言われてたのですが、高校をやめて「じゃあ何するか」ってなったとき、制服や普段着ている服もある程度自分でリメイクして着てたので「ファッションならまだいいんじゃない?」って思って。

次の年、16歳で専門学校に入りました。

(小日向)では卒業後は、アパレル関係に進もうと?

(ヒデリーノさん)思ってました。

(小日向)ところがなんでも屋になったんですよね。それはどうしてなんですか?

(ヒデリーノさん) そのとき中学校からの同級生が働いていた会社が芳しくなくて、「じゃあ一緒に何でも屋でもやるか」ってお手伝いすることにしたんです。

なんでも屋でのつながりからディスプレイの仕事をやることになったんですが、その途中で僕は何を思ったのか漫画家になろうと思い立ち、某月刊誌のコンペにチャレンジしたりしてました。

(小日向)漫画も描けるんですね〜!

(ヒデリーノさん)色々あって、漫画家はやめることになりまして…

福島県の南会津にある廃校を修理して、いわゆるアトリエやギャラリーみたいにしたいなぁ。と取り組み始めました。

(小日向)その廃校工事中にflowermanを設立されたそうですが、flowermanもTシャツ屋さんですよね。

(ヒデリーノさん)今と同じようなもので、webとイベントで販売してました。

(小日向)どういうきっかけでTシャツブランドを始めたのですか?

(ヒデリーノさん)なんだっけなぁ…最初に作ったのはTシャツじゃないんですよ。フラワードールという人形を最初に売り始めました。

そのあと人形だけじゃ寂しいのでなんか作ろうかなってなったときに、Tシャツが楽しいなと。

(小日向)何かつくることが先にあって、たまたまTシャツが増えていったからTシャツブランドになったってことでしょうか。

(ヒデリーノさん)明確に言うと、ブランドイメージを意識したのはグラグリになってからで、flowermanのときはまだ迷走していて方向性が定まってなかったです。

他県に同じ屋号のお店があるということを僕の不勉強で知らなくて、何かのイベントで「○○県のフラワーマンとは関係ないんですよね?」って聞かれたことがありました。

それからしばらく、同じ屋号のショップがほかにもあってウチが後発だということに嫌な感じがずっとしてて…

そんなこんなで愛媛に来て2年目にglass green closetに変えました。

(小日向)その間にご結婚をされて愛媛に引っ越し、松山を拠点に活動されてるんですね。
ショップを持つ、というのは昔から考えていたのですか?

(ヒデリーノさん)自分の店が欲しいって切望してたわけではないです。

(小日向)では商品が多くなって来て提供する場としてショップを?

(ヒデリーノさん)あまり理由づけはないんです。

単に、やってみたかった!!!(⌒^⌒)b笑

(小日向)ブランド立ち上げから1ヶ月でショップオープンって早いスピードですよね。

(ヒデリーノさん)オープンに合わせて新しく商品もつくりました。

(小日向)そのショップも閉店のときが近づいてきましたね…。

閉店のお知らせビックリしましたが、理由が作品作りに主軸を置くための前向きな選択、ということでさらに驚きました。

クリエーターとしての意識の高さに、はっとしました!!(;゜ロ゜)

(ヒデリーノさん)ショップは続けていけば採算ベースに乗るとは思うんですけど、店を続けていくことで、自分の時間がここ(店)に全部根っこ張らなきゃいけないということが多少ストレスになってきたのが閉店のひとつの理由ではあります。

(小日向)ブログでは100日前から告知、毎日ブログを更新されてますね。(ブログはこちら

(ヒデリーノさん)或る意味自分のわがままで初めて、わがままでやめるわけですから、100日前の告知はケジメです。

普通よく行くお店でもそんなにしょっちゅう行く訳じゃないでしょ。3ヶ月以上ないと伝わりきらないかなって。いきなり「店無くなります」ではお客さんに申し訳ないので、この100日間は松山に来るお客さんに向けてブログを更新してます。

(小日向)お客さんを大切にしてますよね。

誠意がこもっていて、お客さんも快くお見送りできるんじゃないでしょうか。

ものづくりに関して、どのような行程で造り上げていくのですか?

(ヒデリーノさん)そのブログで作品創りの事については書いたので(こちら→2007.10.17,2007.10.18日

別のことをお話しましょう。

僕はあんまりデッサンやイメージスケッチは書かないんですよ。

何をつくるかをほぼ考えた上でバラバラにパーツを集めて来て、最終的に細かい部分は絵やデザインだったら描くときに、オブジェクト的なものだったら作るときに仕上げていきます。

(小日向)どういう時に思いつくんですか?

(ヒデリーノさん)もう、どんなときでも!

しいて言えば車より自転車、それよりも歩いてると色んなものが目に入るから、歩いているときが1番ひらめきます。

(小日向)お客さんからの意見も取り入れてるんですか?

(ヒデリーノさん)flowerman時代、お客さんに青空Tシャツが好評でリクエストがあったのでシリーズにしました。

基本的に「こういう風にしたら売れるだろう」など、お客さんの反応は前もって意識してないです。

ただ、Tシャツのデザインをするときは、それをどういう風にコーディネートして、どういう人が着るのかってことは明確にイメージしてます。

(小日向)具体的には?

(ヒデリーノさん)例えば、フリリングです。

僕けっこうフリルとか好きなんですよ。でも坊主頭の僕がフリフリのシャツとか着てたら面白おかしいでしょ。

「シャツにモノクロのプリントだったらかっこよく着れるんじゃない?」って思って。

このデザインのモチーフになっているのは僕が実際に布で作ったものを撮影して、それを何重にも重ねてデジタル加工してます。

(小日向)フリルから手作りとは…なかなか真似ができませんね。

(ヒデリーノさん)こういうものをもっと増やしたいです。

あとは、独りよがりにならないように気をつけます。

僕の場合、悦に入ってる、自分に酔ってる、状態で作ったものは見た人にとって、好きでも嫌いでもなく目に止まらないものになりやすいんです。

そのときの変なフィーリングに入り込みすぎてるっていうのはダメですね。


(小日向)ブランド名の由来を教えてください。

(ヒデリーノさん)名前からなんとなく想像するものがあると思うんですが「それで合ってる」と思います。

ブランドコンセプトの説明では「草花の生い茂る野原で駆け回った子供時代の気持ちを忘れずにいつまでもチカラいっぱい楽しみながら生きていたいという気持ちがグラグリの原動力です。」って書いてますけど、実際は決め打ちはしてないんですよ。

よく、デザイン関係の雑誌なんかで社名やブランド名の由来を聞いたりってあるじゃないですか。あういうのは読んでてなんだかむず痒くなるんですよ。だから自分が聞かれると恥ずかしい。

 (小日向)では他のブランドとはここが違う!といったTシャツづくりにおいてのこだわりやモットーはありますか?教えてください。

(ヒデリーノさん)Tシャツブランドというカテゴリーのことを意識はしていないんですけど…「顔のクローゼット」など、アートプロジェクトをやってるとこが他のブランドとは違うんじゃないですかね。

(小日向)独自の道を進んでいるという印象はあります。

本当に、アーティスト!ですよね。

(ヒデリーノさん)僕は一応「アーティストとして生きる」という宣言はしてる(笑)んですが、アートの畑の人達とはあまり反りが合わない部分があります。

アートの鑑賞には知識などの受け皿は必要ない。と思ってるんですよ。

大上段に構えて、これが美術だ。芸術だって。或る程度の知識が無かったら理解できなかったり。鑑賞する側も自分の知識に基づいて理解することで満足するってことあるでしょ。そういう風潮がアートを小難しいものにしてる。

(小日向)ありますね〜複雑なものを、知識を得て行くことで理解できるというような。

(ヒデリーノさん)地元のアートNPOなんかとディスカッションすると「わかりやすいことがアートにとって必要か」ということが話題に上るんですよ。

わかりやすくするために表現上何かを押さえるっていうのはどうかと思うのですが、最初から伝えるということを無視したスタイルはいやだな。と考えていて、わかりやすくするためのフィルターを通してることはあるかもしれないです。

商品にも小難しいアーティスティックなものは入れたくないんですよ。

「わからない」っていうのはわかろうとしている段階に入っていて「興味がない。どうでもいい。」というのが1番最悪。

「わからない」のところから、「からわからないからもういいや」になるか、「わからないからわかりたい」になるのか、というのがその人と作品の関係が変わって来る部分だと思う。

僕が創る上でいつも思っているのは「どうでもいいものだけにはなりたくない」ってことです。

(小日向)嫌だって気持ちも、関心があるってことですもんね。

(ヒデリーノさん)顔のクローゼットのTシャツの中にも「嫌だ、寂しい、怖い」っていう部分が含まれていると思います。

これ(顔クロ)は誰かが生活なり、仕事をしたり遊びに行ったりしたときにTシャツを着ている状態で完成なんです。作品が世界や社会と接点を持つことで、社会とTシャツを着ている人の関係がどういうものなのかというのを表したい。というのがコンセプトです。

(小日向)私の解釈では、人って個人で存在してても集団のひとりである私がいて。
たまに家に1日ひきこもっていたりすると「私は今日は存在しなかったのと同じだ」と思うことがあったんですね。

他人と関わらないとしゃべることもないし身だしなみに気をつけることもないし…2人目がいて初めて自分がいるのかな、と。

(ヒデリーノさん)そういう風に考えてもらうのは作品が存在している証明になりますね。

僕にも明確な答え、「これだけが正解」っていうのは無いので、それぞれの人がなんらかの印象を持ったとしたら、それが正しいと思ってもらっていいです。

(小日向)色々答えがあるんですね。

(ヒデリーノさん)たぶん、コレ着て歩いてたら相当周りから見られると思うんですが、そのときに「こういうことなの?」って分かると思います。

(小日向)顔クロはどういう風に生まれたんですか?

(ヒデリーノさん)もともと「100人の顔Tシャツ」という企画を考えていて、それは1枚のTシャツに一人の顔をプリントして、100枚並べてみようというもの。

でも、それって何の意味があるの?って思っちゃったんですよ。

実際意味もなくて、並んだら壮観だろうなって思っただけなんだけど…。それは実現することなく、しばらく寝かしておいたんです。

それがもう一回自分の頭の中に甦ってきたときに、並べるんじゃなくて重ねてたんですよね。

そしたら意味を持つようになって、作品になりました 。

(私も参加させてもらいました!→070527



(小日向)Tシャツをつくっていてよかったこと、嬉しいことはなんですか?エピソードなどあれば教えてください。

(ヒデリーノさん)やっぱり、自分が創ったものを身につけてくれたり持ってくれたりしてくれてる人がいることが1番嬉しいことかな。そしてそれを愛してくれてるということ。

「前に買ったやつがもうボロくなっちゃったので、また買います。」って同じ物を買ってくれる人がたまにいるんですよ。

まだ1年も経たないうちにボロくなったって聞いて、僕は「商品に問題があったのかな?」ってちょっと焦るんですね。

「いやそうじゃなくて襟とか擦れてきちゃってるし。」って言われて。

「そんだけ着たのか〜!Σ(- -ノ)ノ 」って。

それでまた同じのが欲しいって言ってくれるのが嬉しいです。

(小日向)それは相当お気に入りですね。

逆に難しかったことや辛かったことはありましたか?

(ヒデリーノさん)今でも辛いです(^-^;)とにかく今はTシャツっていうキーワードが全面に出てますが、Tシャツって競合が多いでしょう。全体の顧客数っていうのはそれほど増えてないと思うんですよ。

もともとそんなに多くない顧客をみんなで取り合ってる感じがするので、Tシャツブランドgrass green closetじゃなくてプライベートブランド(hiderinoの)、という方向で行ったほうがいいかなって思ってます。

Tシャツは買いやすいだろうし、量産も比較的簡単にできますが、他のものにも力を入れていきたいな。と思ってます。

(小日向)一点もののセーターや帽子なども販売されてますもんね。

(ヒデリーノさん)ただ、アパレル専業みたいになるつもりはあまりないです。「またあのオッサンが変なもんつくってんな〜」って見に来てくれればいいですね。

(小日向)色んなものをつくっていくってことですね。


(小日向)Tシャツもろもろについてお伺いします。

グラグリさんのTシャツの特徴といえばおとぎ話リミックスと、フォトTシャツが思いつきます。

(ヒデリーノさん)おとぎ話リミックスはグラグリになってからですが、子供の頃からやってたことなんです。

何かと何かの話をつなぎあわせたりしませんでしたか?

替え歌みたいな感じです。

(小日向)あとは、2つセットになってるものが多いですよね?ドレスコード(YesとNo)や、メリーゴーランドと観覧車など。

(ヒデリーノさん)1個より、2個のほうが比較して面白みが増すことがありますよね?

ドレスコード、一個だけだったらタダのネクタイTシャツなんだけど、両方あることでおもしろいかな、と。

(小日向)比べる面白さですね。

(小日向)グラグリさんのこれからの動向が気になるのですが、教えて頂けますか?

(ヒデリーノさん)とりあえず、グラグリは無くなりません。

どちらかというとネットでは今までよりリリースが早くなると思います。

今までよりチカラ入れて行こうと思ってます。

(小日向)さらなるステップアップが! ヽ(^◇^*)/

ところで好きなブランドはありますか?

(ヒデリーノさん)最近はVictor&Rolfがけっこう好きです。持ってませんけど(^_^;)

(小日向)今度の目標は?何かあれば教えてください。

(ヒデリーノさん)グラグリに関してなんですが、僕はこのグラグリってブランドがものすごく有名で売れるブランドになってほしいとは思ってないんですよ。

たぶん、僕のつくるものが好きで買ってくれるお客さんもあんまり有名になられたらやだなって思う部分はちょっとあるんじゃないかな、と思うんです。

自分がみつけてきた、好きなものってあんまりみんなに知られるとそれがチープになってしまったような感じってあるでしょ。

あんまりそういう残念な思いはして欲しくないっていうのがあって。

だから本当に大量生産して、大量に売りさばくっていうことはやらない方向で行こうかなって思ってるんですよ。

たくさんの人にもてはやされて消費されるより、あまりたくさんの人でなくてもお気に入りとして足繁く通ってほしい。

ちゃんと、愛してくれる人達に貢献できるようなものをつくっていきたいと思っています(^_^)

(小日向)ではでは、最後にアピールしたいことや、読んで頂いている方、ファンの方などにメッセージをお願いします。

(ヒデリーノさん)お客さんが本当に好きなものを持って楽しくなれるように、頑張りたいと思ってます。

(小日向)それではこれで終わります。ご協力ありがとうございました。

インタビューは以上です。
アーティスト・ヒデリーノさんの「仕事へこだわり」をひしひしと感じました。
松山のショップは閉店が近づいていますが、これから更にステップアップしていくgrass green closetさん。
これからの活躍が一段と楽しみですO(≧▽≦)O

最後に…grass green closetさんにとって「Tシャツ」とは!?
色紙に書いてもらいました!

Tシャツは 気分を覆う皮膚

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(本文中で使用した画像はgrass green closetさんの許可を得て使用しています)
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